使用・参考資料

底本

中華書局、1974年初版、2008年第9次印刷本
*商務印書館刊「百衲本二十四史」、汲古書院刊「和刻本正史」を必要に応じて参照。

史料

晋書の注釈や補助資料
著編者名『書名』使用した本コメント
呉士鑑・劉承幹『晋書斠注』中華書局、2009年周家禄『晋書校勘記』などを集成してくれていて便利。
『晋書人名索引』中華書局、1977年四角号碼で引く。私はマスターしていないのでなかなか……
『晋書辞典』山東教育出版社、2001年恥ずかしながら最近購入したので使い勝手はまだわかりません。
周家禄『晋書校勘記』商務印書館、1936年叢書集成。いちいち正確に比較していないからわからないが、ほぼ『晋書斠注』に採録されているはずなので別に所有する必要はないかも。なお叢書集成のこの本にはほかに石延年『五胡十六国考鏡』も収録されている。
汪兆鏞『稿本晋会要』書目文献出版社、1988年影印。ここに挙げておいてなんだが、あんまり使っていない。
周済『晋略』台湾中華書局、1966年執政表とかあるが、あまり使わないかも。
『二十五史補編』中華書局『晋方鎮年表』などいろいろな資料が収録されている。
『魏晋南北朝正史訂補文献彙編』北京図書館出版社、2004年「二十四史訂補」シリーズの一部。『二十五史補編』には収録されなかった正史を補訂する類いの文献を収めている。湯球の『晋書輯本』など。すべて影印で、稿本、抄本、刻本が混在している。ここに挙げておいてなんだが、正直まだあまり見れていないので有用性はなんとも言えない。馬与龍の『晋書地理志注』はぱっと見た感じすごいが。
孟剛・鄒逸麟『晋書地理志彙釈』安徽教育出版社、2018年『晋書』地理志に特化して、歴代の注釈や研究成果を集成したもの。編者の注もあり、地名の比定もおこなわれている。
銭大昕『廿二史考異』上海古籍出版社、2004年 『晋書』の注釈というわけではないが、「なんかこの文おかしくない?」と思ったら最初に見る。おおむね『晋書斠注』に採録されている(はず)なので別途こちらを持つ必要はないかもだが。
矢野主税『改訂魏晋百官世系表』長崎大学史学会、1971年書名のとおり諸史料から系図を作成したもの。すごく便利だしありがたいので、どうにかして入手したほうがいいです。
張万起編著『世説新語詞典 修訂本』商務印書館、2021年『世説新語』での字や語に特化した辞典。『晋書』の直接的工具書ではないが、多く参考になる。
輯佚書
湯球『九家旧晋書輯本』中州古籍出版社、1991年横組簡体字。紀伝体晋史の佚書を輯佚したもの。
喬治忠『衆家編年体晋史』天津古籍出版社、1989年横組簡体字。湯球と黄奭が輯佚した編年体晋史を一書に総合したもの。
湯球『十六国春秋輯補』『二十五別史』第15巻、斉魯書社、2000年横組繁体字。『十六国春秋』の佚文や『晋書』の載記を用いて『十六国春秋』100巻の復元を試みたもの。佚文集ではない。佚文だけを閲覧したいのならば下記の『五胡十六国覇史輯佚』がよい。記憶がおぼろげだが、叢書集成版だと輯補、簒録、三十国春秋輯本が1冊にまとまっていたはずで、入手も容易。
湯球『三十国春秋輯本』天津古籍出版社、2009年横組簡体字。蕭方等『三十国春秋』はもちろん、五胡諸国の覇史も輯佚されている。
五胡の会(編)『五胡十六国覇史輯佚』燎原書店、2012年覇史の佚文を、引用元の書物ごとに列記した資料集。
魯迅『古小説鉤沈』人民文学出版社、1951年 
劉緯『漢唐方志輯佚』北京図書館出版社、1997年散佚した地理書の佚文を集めてある。
黄恵賢『魏晋南北朝隋唐史研究与資料』湖北人民出版社、2010年ふつうの研究書だが、『襄陽耆旧記』『南雍州記』『鄴中記』の輯校を収録している。他の輯本をもっていないので比較はできないが、校注は充実していると思う。
魏晋史関連
干宝『捜神記』李剣国『新輯捜神記』中華書局、2007年捜神後記も収録されている。『捜神記』の本にはややこしい問題があり、二十巻本が良いとされている。ただし本書は基本的に他書に引用された「捜神記」の文のみを集めたものなので、旧来の本とは文字、篇次、巻数が異なっており、まったくの別物である(旧来の本にもとづいたものを所有していないので正確な比較はしていません)。たとえば、干宝伝などの記載に拠り、本書は全三十巻で構成されている。干宝の文章である確実性が高いものだけを使いたい!という人には本書がいいかも。なお、旧来の本に収録されている話も「偽目疑目辨証」と題した付録に収載されている。
常璩『華陽国志』任乃強『華陽国志校補図注』上海古籍出版社、1987年横組繁体字。任氏による校勘も多いが、文字を増補している箇所もかなり多く、たとえば李氏は終わりのほう(李寿後半~李勢)がほとんど他書にもとづく増補になっている。また注釈も豊富で、すごく参考になる。『華陽国志』の校注本としては劉琳氏のものもよく知られているが、未見のため任氏とどちらがよいかわからず。
劉義慶『世説新語』徐震堮『世説新語校箋』中華書局、1984年学生のときに古本で手ごろな値段だったから購入したものなので、これが最良なのかはわからないし、詳しい人がいたら教えてほしいくらい。
昭明太子『文選』上海古籍出版社、1986年上に同じ。
慧皎『高僧伝』中華書局、1992年一部の文章が脱落しているなど、やや問題がある本であるらしく、注意が必要。詳しくは吉川忠夫・船山徹訳『高僧伝』第一分冊(岩波書店、2009年)の「訳者解説」を参照。かといって他に簡便な本も知らず、またそもそもそれほど参照する機会がないのでこの本のままとなっており……。
酈道元『水経注』陳橋駅『水経注校証』中華書局、2007年『水経注』は何の本がよいのかよくわかっていない。注疏を使っている人がおそらく多いはずだが、現在は古本でも入手が難しい(私も所有していない)。陳氏のこの標点本は入手も比較的容易で見やすい。
虞世南『北堂書鈔』新興書局、1976年孔広陶の校注本の影印。
欧陽詢ら『芸文類聚』中文出版社、1972年 
魏徴ら『群書治要』四部叢刊収録されている『晋書』は唐修とは別のもので、臧栄緒のものとも言われている。現在は標点本が刊行されたのでそちらを使用されるのがよいと思います。
許敬宗ら『文館詞林』羅国威『日蔵弘仁本文館詞林校証』中華書局、2001年 
徐堅ら『初学記』中華書局、1962年 
許嵩『建康実録』中華書局、1986年正確な比較はしていないが、唐修『晋書』には見られない独自記述あり。
李昉ら『太平御覧』大化書局、1977年 
司馬光『資治通鑑』中華書局、1956年 
厳可均『全上古三代秦漢三国六朝文』中華書局、1958年詔や奏などの文章を、著者ごとに集めてまとめたもの。商務印書館から断代ごとのコンパクト版(全宋文、全魏文など)も出ており、横組簡体字であるが、標点が付されている。
程樹徳『九朝律考』中華書局、1963年漢・魏・晋・南北朝(梁陳北魏北斉北周隋)の律や令にかんする史書の記述を集成してある。
趙超『漢魏南北朝墓誌彙編』天津古籍出版社、2008年ほか墓誌関連だと、趙万里『漢魏南北朝墓誌集釈』、羅新・葉煒『新出魏晋南北朝墓誌疏証』もある。
正史
史記以外の正史中華書局の標点本すべて修訂前の本
『史記』中華書局標点本・修訂版の並装本 
その他
経書阮元『十三経注疏』中華書局、1980年 
班固『白虎通義』陳立『白虎通疏証』中華書局、1994年 
孫星衍ら(輯)周天游(点校)『漢官六種』中華書局、1990年孫星衍や王仁らがおのおの輯佚した衛宏『漢旧儀』、応劭『漢官儀』などをまとめて収録したもの。
蔡邕『独断』四部叢刊 
劉知幾『史通』浦起龍(通釈)・王煦華(整理)『史通通釈』上海古籍出版社、2009年 
杜佑『通典』中華書局、1988年 
安居香山・中村璋八『緯書集成』河北人民出版社、1994年 

資料

工具書
『漢辞海』第三版、三省堂、2011年最新版は買っていません。
『漢語大詞典』上海辞書出版社、1986年12分冊版。訂補は持っておらず。
『古代漢語虚詞詞典』商務印書館、1999年 
『中日大辞典』増訂第二版、大修館書店、1987年学生のときからこの版に親しんでいたからいまでも使っている感じです……
陳垣『二十史朔閏表』中華書局、1962年 
神田信夫・山根幸夫(編)『中国史籍解題辞典』燎原書店、1989年 
『四庫全書総目』中華書局、1965年 
孫啓治・陳建華(編)『古佚書輯本目録』中華書局、1997年輯佚書の所在を記録してくれている超便利な本。
翻訳書(魏晋南北朝関連のみ)
『晋書』越智重明、明徳出版社、1970年抄訳。訓読+解説。
『三国志』今鷹真・井波律子・小南一郎訳、筑摩書房、1992-93年 
『捜神記』竹田晃訳、平凡社、2000年二十巻本の全訳。
『世説新語』『世界文学大系 71 中国古小説集』所収、川勝義雄・福永光司・村上嘉美・吉川忠夫訳、筑摩書房、1964年訳者が豪華なのでこの翻訳を参考にしている。この本には『捜神記』二十巻本の全訳も収録されている(清水栄吉・志村良治・荘司格一訳)。
『高僧伝』吉川忠夫・船山徹訳、岩波書店、2009-10年 
『文選』川合康三ほか訳、岩波書店、2018-2019年詩の全訳。
『文心雕龍』『世界古典文学全集 第25巻 陶淵明 文心雕龍』所収、興膳宏訳、筑摩書房、1968年一海知義訳『陶淵明集』も収録。
『水経注疏』『水経注疏訳注』、東洋文庫中国古代地域史研究班編、東洋文庫東洋文庫の「リポジトリ」で「渭水篇下」(2011年)と「穀水篇」(2019年)のPDFが公開されている。公式サイト「リポジトリ」のバナーから「水経注」で検索or「インデックスリスト」の「東洋文庫論叢」を選択してみよう。「渭水篇上」はよくわかりません。
『斉民要術』田中静一・小島麗逸・太田泰弘編訳、雄山閣出版、1997年抄訳。
『顔氏家訓』宇都宮清吉訳注、平凡社(東洋文庫)、1989-90年 
『北斉書』『現代語訳 北斉書』、気賀沢保規監修、勉誠出版、2021年 
『隋書』『現代語訳 隋書』、中林史朗・山口謡司監修、勉誠出版、2017年帝紀と列伝の抄訳。
『隋書』音楽志『『隋書』音楽志訳注』、六朝楽府の会編著、和泉書院、2016年 
『隋書』経籍志『隋書経籍志詳攷』、興膳宏・川合康三訳、汲古書院、1995年 
正史の北アジア非漢族の伝『騎馬民族史1』、内田吟風・田村実造ほか訳注、平凡社(東洋文庫)、1971年。『騎馬民族史2』、佐口透・山田信夫・護雅夫訳注、平凡社(東洋文庫)、1972年『騎馬民族史』は全3分冊だが、魏晋南北朝に関わるのは1と2。
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